YouTuber事務所とは?kiii現役社員に聞いた所属メリットや特徴【インタビュー】

YouTuber事務所とは!
YouTubeで活躍するクリエイターのマネジメントを行うYouTuber事務所。今回は株式会社Kiiiの現役社員の方に気になる内情をインタビュー!「YouTuberの事務所とは?」「所属するメリットは?」「どういう人が所属できるの?」などの疑問を深堀りしていきます。

■目次

YouTuberの事務所とは?現役社員にインタビュー

現役マネージャーにインタビュー

 

今や1つの職業としても定着したYouTuber(ユーチューバー)。

配信した動画の再生回数に応じて収入が得られるYouTuberは、子どもたちの将来なりたい職業にもランクインしているほど憧れの対象となっています。

YouTuberの中には個人で活動されている方もいらっしゃいますが、マネジメントを中心に様々なサポートが受けられる事務所へと所属されている方も少なくありません。

今回はそんなYouTuberの方たちが所属する事務所について、株式会社Kiiiの現役正社員にインタビュー!

気になる疑問を徹底的に深堀りしていきます。

インタビュー内容

・そもそもYouTuberの事務所とは?
・所属のメリットは?
・どんな人が所属できるの?
etc.

 

取材にご協力いただいた株式会社Kiii社員のご紹介

インタビューにご協力いただいたkiii社員

 

新木勝也さん(写真右)
Kiiiマネージャーのチームリーダー。クリエイターを支えるチームの柱として献身的なサポートを心がけていらっしゃいます。

村田真央さん(写真左)
2019年からKiiiインターンシップに参加し、翌年から正式なマネージャーとして勤務。鋭い分析力を武器にクリエイターの活動を支えます。

 

株式会社Kiiiとは

Kiii

 

株式会社Kiii(東京都・渋谷区)は、2017年6月に創立したYouTuber事務所です。

インフルエンサーマネジメントやエージェント事業を通じ、クリエイター活動を支援。

インフルエンサーに関する総合的なサポートを行うとともに、所属クリエイターとクライアントを繋げる各種プロモーションを提供しています。

 

YouTuberの事務所とは

YouTuberの事務所について

YouTuberで活躍するクリエイターのマネジメントを行う「YouTuber事務所」。

まずは「YouTuberの事務所って何をするところなの?」という基本的なお話を伺っていきましょう。

 

(1)YouTuberの事務所ってどんなところ?

hiro

本日はよろしくお願いいたします。
まず、とてもざっくりとした質問になるのですが、YouTuber事務所ってどんなところなのでしょう?

―村田さん
YouTuber事務所の全体観としては、「所属クリエイターさんのサポートをする」というのが基本です。
社内には私たちマネージャー職のほかにも、クライアント様に所属クリエイターさんを紹介し案件提案などを行う営業の方もいます。
その他バックアップスタッフも含め、クリエイターさんに対して総合的なマネジメント業務を行っている会社という感じでしょうか。

―新木さん
そうですね。会社としては「YouTuberというインフルエンサーの方が活躍できる場所を提供する」というのがミッションになります。
クリエイターさんのマネジメントはもちろん、クライアント様とクリエイターさんの橋渡し、グッズ販売、イベント開催など、クリエイター個人では手が回りきらない部分を支援し、活躍の場を広げてもらうためのサポートを行っています。
事務所によってはクリエイター育成のための下部組織がある会社さんもあったりしますね。

 

(2)マネージャーの具体的な業務内容は?

hiro

YouTuber事務所におけるマネージャーさんの具体的な業務についても教えてください。

―新木さん
マネージャーの具体的な業務としては、クリエイターさんのスケジュール管理クライアントとの案件進行などでしょうか。
他にも、YouTube動画の構成や企画案を考えたり撮影現場への同行、クリエイターさんからの要望によっては自分がキャストとして出演することもあったりしますね(笑)。

インタビュー風景1

 

hiro

動画構成や企画案などもマネージャーさんが携わる部分なんですね。

―新木さん
動画の再生数が安定しているクリエイターさんに関してはあまり関与する部分ではありませんが、数字が伸び悩んでいるクリエイターさんに関しては相談を受けて企画などのアドバイスをすることもあります。

―村田さん
その他の部分で言うと、撮影場所の許可取りSNS等でトラブルがあった場合の対応視聴者さんからの問い合わせ対応などもマネージャーの仕事です。
コラボや「テレビ番組でクリエイターさんの動画を使いたい」などのお話が来た際にも、マネージャーが間に入ります。
細かいところでは、荷物の配送やファンから届いたプレゼントなどをはじめとする郵便物のチェッククリエイター向けの社内イベントの開催なんかもありますね。

 

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(3)芸能事務所のマネージャーとの違いは?

hiro

マネージャーというと芸能事務所のイメージも強いですが、芸能人とYouTuberのマネージャーで異なる点はありますか?

―村田さん
両者とも担当の「マネジメント」を行うという点では同じですが、大きな差としては現場への同行頻度の違いでしょうか。
芸能人(タレントやモデルなど)の活躍の場所は主にテレビ番組や雑誌の撮影所になるので現場同行が多い一方、YouTuberは撮影場所が基本自宅なので同行する頻度はあまり多くありません。
なのでYouTuberのマネージャーって結構デスクワークが多いんですよね。
これはあくまでも知り合いの芸能マネージャーさんとの比較ではありますが…(笑)。

―新木さん
同行頻度で言うと、週に1回あるかないかくらいですね。
自分はチームリーダーという立場上、外に出る機会は減ってしまいましたが、クリエイターとコミュニケーションを図るという意味でも積極的に同行するようにしています。

インタビュー風景1

 

hiro

なるほど、同じマネージャーでも働き方が全然違うんですね。
逆にYouTuberさんの撮影に同行するのはどのようなケースでしょうか?

―新木さん
主に案件動画の撮影ですね。
案件は基本的に、会社とクライアント様とのやり取りになります。
事前に決められた進行内容に沿って撮影ができているかをチェックするという意味でも、マネージャーが立ち会うケースがほとんどです
「撮影場所で流れているBGMが著作権に引っかかり再撮影になってしまった」などのケースもあるので、そういった部分に注意しながら進行していきます。

―村田さん
自宅で撮る場合は基本的に同行はしないのですが、案件動画の場合でクライアント様も撮影風景を見たいとなった場合には一緒に現場に同行することはあります。

 

(4)クリエイターとのコミュニケーション方法は?

hiro

ちなみに、マネージャーさんはよく仕事中に電話されているイメージがあるのですが、電話ではどういったやり取りをされているのでしょうか?

―新木さん
基本的にはクリエイターさんと電話しているんですけど、それこそ案件の詳細など、文章だけでは伝わりきらない部分を口頭で説明したりですかね。
自分の場合は、それほど電話する必要がないケースでも積極的に電話してコミュニケーションを図るようにしています。
クリエイターさんとのタッチ回数を増やすことで、信頼関係を築くのもマネージャーの重要な仕事です。

 

(5)事務所とクリエイター間でのお金の流れは?

hiro

少し聞きにくい質問ではあるのですが、事務所とクリエイターとの間で発生するお金の流れについて、答えられる範囲教えて頂きたいのですが…。

―村田さん
事務所とクリエイター間で、どこにどれだけの割合でお金が分けられるのかは事務所によって異なります。
シンプルなところで言えば、各クリエイターのYouTube収益からマネジメント料が引かれるといったケースです。
また、Kiiiのようにマネジメント料を取っておらず、YouTubeの収益はクリエイターさんに全てお渡ししているというケースもあります。
その場合はクリエイターさんのグッズやイベント収益の一部が事務所に入ってくるといった流れです。

 

代表的なYouTuber事務所の特徴について

代表的なYouTuberの事務所について

 

Kiiiをはじめ、YouTuber事務所と一口に言っても様々な会社が存在します。

ここからは、代表的な事務所についてどのような特徴があるかを伺っていきたいと思います。

 

(1)有名なYouTuber事務所ってどんなところがあるの?

hiro

YouTuberの事務所について、代表的な会社をいくつか教えて頂きたいです。

―村田さん
業界大手や代表的なところで言えば、「UUUM(ウーム)」「BitStar(ビットスター)」「GROVE(グローブ)」「VAZ(バズ)」でしょうか。

この辺りは業界的な知名度もそうですが、一般の方に対する知名度も高いクリエイターさんが所属している事務所かなと思います。

 

(2)それぞれの事務所の特徴は?

hiro

各事務所の特徴についても教えてください!

―村田さん
UUUM」は、規模感の大きいクリエイターや有名なクリエイターが多く所属しています。
知名度の高い方だと、「HIKAKIN」「はじめしゃちょー」「東海オンエア」「SEIKIN」「水溜まりボンド」などでしょうか。
グッズやイベントなど、YouTube以外の活動にも力を入れて大きく動いているのかなという印象です。

BitStar」「GROVE」「VAZ」については、YouTuberとして世間一般的に知名度があるというよりかは、「TikTokで有名」「カップルというジャンルで有名」など、そのジャンルではこの人!というような方が多く所属しているように思います。

インタビュー風景3

 

hiro

今お話し頂いた各社の特徴というのは、「事務所の意向に沿ってそういった方たちが集められている」ということなのでしょうか?

―村田さん
はっきりとしたことは分かりませんが、そういったクリエイターを狙いに行ってスカウトしている可能性は全然あると思いますね。
例えば今は「YouTubeよりもTikTok」という時代にもなってきていて、TikTokで有名なクリエイターを獲得しよう」というのは少なからずどこの会社も考えているところではないかと。
プラットフォームの流行りに合わせてスカウトしていくというのは大いにあると思います。

 

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Kiiiの特徴について

Kiiiの特徴について

 

続いては、インタビューにお答えいただいているKiiiの特徴についても聴いていきます!

所属クリエイターの一覧はこちらのWebページから確認できます。

人気YouTuberに関する特集も併せてどうぞ。
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(1)業界でのポジションは?

hiro

業界の中で「Kiii」という事務所はどのような立ち位置なのでしょうか?

―村田さん
YouTuber事務所は2015年前後の設立が多いので、2017年に設立されたKiiiは他の事務所に比べて歴が長いという訳でもないですが、浅いということもないのかなと。
過去には大型クリエイターが多く在籍していたということもあり、あくまでこれは個人的な見解ですが、初期の業界的な認知度で言えば「UUUM」「VAZ 」「Kiii」は3本の指に入るくらいの知名度があったのかなと思います。
現在もクリエイターの方に対しては、それなりに認知されている事務所なのではないかと感じるところです。

 

(2)Kiiiに所属するクリエイターの特徴とは?

hiro

現在Kiiiに所属しているクリエイターの人数はどれくらいですか?

―村田さん
駆け出しのクリエイターさんやチャンネル登録者数50万人以上の方もすべて含めて、70組ほどです。
「UUUM」さんや「BitStar」さんなど、下部組織がある事務所に比べたら所属クリエイター数は多くはないかもしれませんが、YouTuberの事務所的には少なくない方だとは思います。

 

hiro

Kiiiに所属するクリエイターの特徴について教えてください。

―新木さん
1つのジャンルに特化した方が多いかと思います。
例えば、料理に関する動画をメインで投稿している「Chef Ropia(シェフロピア)」さん、ナレーション動画を投稿している「六丸の工房」さんなど、チャンネルの特色がはっきりとしている方が多いですね。
HIKAKINさんやはじめしゃちょーさんのように「世間的な知名度」という意味ではそこまで高くないかもしれませんが、そのジャンル・業界界隈では有名なクリエイターさんが多く所属していると思ってます。

―村田さん
それから、所属クリエイターの年齢層でいうと他の事務所よりも高めなのかなとも思います。
「UUUM」さんは若めのエンタメ世代が中心であったり、「VAZ」さんもYouTube界隈では若めのティーン世代。
「BitStar」さんや「GROVE」さんも所属クリエイターは幅広くいますが、どちらかと言えば若い世代が多い印象です。
ただ、Kiiiに関しては専門的なジャンルが多いということもあって、クリエイターの年齢が高めの傾向にあるのかなと。

インタビュー風景4

 

(3)Kiiiに所属する代表的なクリエイターは?

hiro

現在所属されている代表的なクリエイターさんにはどのような方がいらっしゃいますか?

―新木さん
代表的なクリエイターとしてはChef Ropia(シェフロピア)」さん、「六丸の工房」さん、「韓国人先生 デボちゃん」さんなどでしょうか。
チャンネル登録者数でいえば「六丸の工房」さんが68.9万人(2022年9月27日時点)で、今一番多いのかな。

―村田さん
他にも、ギタリスト夫婦の「ヨメトオレ」さんや、クレーンゲーム実況動画を投稿している「もっかいちゃんねる」さんとかはその界隈では有名ですね。
そういった方たちはそのジャンルのお仕事も結構来ますし、企業からの認知度も高いです。

メディア露出もあり一般的な知名度も高めだと思うのは、世界一アゴの長いYouTuberとして活動している「城之内チャンネル」さんでしょうか。
バラエティ番組「アウトデラックス」とかドラマ「ルパンの娘」などにも出演されましたので、名前を聞いたことがあるという人は多いのかなと思います。

インタビュー風景5

 

hiro

ちなみに、ラファエルさんもKiiiクリエイターの一覧ページに名を連ねていますね。

―新木さん
そうですね、「ラファエル」さんとはエージェント契約を結んでおります。
これは業務提携のようなもので、こちらからマネジメントをするわけではないのですが、お仕事があればご相談させて頂くというような関係性です。
HPとかにも載せさせて頂けますし、こちらから案件のご提案をさせて頂くこともあります。

 

(4)Kiiiのマネージャーの特徴は?

hiro

Kiiiマネージャーとしての特徴や、ここを意識している!というのがあれば教えて頂きたいです。

―村田さん
他の事務所はどうかよく分からないので何とも言えないですが、クリエイターさんとの仲は良い方かなと思います!(笑)。

―新木さん
自分も案件撮影の同行終わりにクリエイターさんと飲みに行くことは多いですね(笑)。
年齢が近かったりすると話しやすかったりもするので、お仕事以外の相談とかをすることはあります。

―村田さん
恋バナとかも全然します!(笑)。
マネージャーだけどビジネスだけ!という関係ではなく、Kiiiのマネージャーは気軽に相談しやすいような関係作りをしているんじゃないかな?

 

hiro

今もそうですが、お2人ともすごくお話しやすい雰囲気ですよね(笑)。

―新木さん
基本的にマネージャーは「人が好き」というのが根っこにあって、向いている方が今も続けて仕事をしているとは思うので…(笑)。
「人をサポートしてあげたい」とか「誰かの為に」というのがやりがいにも繋がっています。

 

事務所所属のメリットや入り方

事務所への所属について

 

ここからは、クリエイターが事務所に所属するまでの流れについてを伺っていきます。

どんな人がYouTuber事務所に所属できるのでしょうか。

また、所属することで得られるメリットやデメリットについても聞いていきます。

 

(1)どういう人が事務所に所属できるの?

hiro

YouTuberとして事務所に所属するための条件などがあれば教えてください。

―新木さん
これはあくまでKiiiとしての条件ですが、現在はメインで活動しているSNSの登録者数またはフォロワー数が10万人以上というのが1つの条件になります。
Kiiiとして下部組織(クリエイター育成機関)を運営していた頃は、登録者数100名クラスでも受け入れていたこともありましたが、マネジメントにおいてなかなか人員的にもリソースが割けなくなってきたという状態がありました。
そういう意味でも一定の規模感を設定した形となります。

―村田さん
登録者数が少なすぎると、「伸び悩んだら投稿を止めてしまう」というケースも過去には多々ありました。
マネージャーとしては、「このクリエイターを伸ばしたい!」と思っても音信不通になってしまうのは非常に残念で…。
リソースという部分でもそうですが、継続してある程度規模を大きくしてきたクリエイターさんに対してサポートをしていった方がお互いのためにもなるのかなと思います。

 

未経験でも大丈夫?動画クリエイターになるために必要なツール選びについてはこちらの記事もおすすめです。
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(2)クリエイターが事務所に所属するまでの流れは?

hiro

実際にクリエイターが事務所に所属するまでの流れについて教えてください。

―新木さん
Kiiiでは会社HP内のエントリーページで募集をかけているので、基本はそちらから応募して頂く形です。
そこから気になる方をチェックして、可能性がある方に対しては連絡を取り面談をさせて頂く流れになります。

―村田さん
こちらからスカウトをすることもありますね。
ただ、所属のオファーをする上では、関係値が大事だなと思います。
相手を何も知らない状態でスカウトしてしまうと、「外から見た感じは優しそうだったのにいざやり取りをしてみたらあれ?」という場合もあるので…。

なので、始めは案件提案だけでやり取りをしていたクリエイターさんに対し、ある程度の関係値が出来てきたところで所属のオファーをかけることが多いです。
会社としても無責任にクリエイターさんを抱えるだけ抱えて…ということは出来ないので。
クリエイターと事務所双方でリスクや懸念点など特にないようであればお声がけさせていただくというステップを踏むようにしています。

インタビュー風景7

 

(3)この人と仕事をしたい!と思うクリエイターの特徴は?

hiro

所属を提案するにあたり、数字の条件以外の部分ではどういうところを見られているのでしょうか?

―新木さん
ん-、色々な尺度があるとは思うんですが、例えば「レスポンスの早い人」はいいなと思いますね

―村田さん
私も断然レスポンスの早さです!(笑)。
案件提案とかでもそうですが、場合によっては「受け取れる報酬金額が高いけどレスが遅い人」より、「金額が多少落ちてもレスが早い人」に仕事を振るケースもあったりします。
クリエイターさんに関してはその場限りの仕事かもしれませんが、会社としてはクライアント様と継続的に関係値を保っていきたいので。
仮にクリエイターさんのレスの遅さが原因で、クライアント様から「Kiiiさんとはもうやり取りしません」となるよりは、無事に案件を進行できるクリエイターに仕事を振った方が事務所としては安心ですよね。

 

hiro

業界問わずレスポンスの早い人って仕事できる印象ありますよね。
その他、こんな人を獲得したいなとかはありますか?

―村田さん
長い目で見て伸びるクリエイターさんですかね。
流行りにあまりにも特化しすぎると、それが過ぎたときに数字が伸びなくなってしまうので。
将来的な数字が不安定そうなクリエイターに関しては、自分はちょっと怖いかなと思います。

 

(4)クリエイターの所属に関しては各マネージャーの判断に委ねられるの?

hiro

このクリエイターを獲得しよう!となった場合、それぞれのマネージャーが独断で決める形になるのでしょうか?

―新木さん
それはないですね(笑)。
良いクリエイターさんがいれば、まずマネージャー会議で共有します。
その後、営業も含む合同会議の場で提案していく形です。

―村田さん
マネージャー目線では良い!と思っても、営業目線では案件が入らないのでは?という意見も出たりします。
マネージャーとしては再生回数が獲れていればいいですが、やはり会社として案件の入りやすさやグッズの売れ行きなども考慮した上で、総合的に判断していきます。

インタビュー風景6

 

(5)YouTuberが事務所に所属するメリットは?

hiro

YouTuberの方が事務所に所属するメリットについて教えてください。

―村田さん
例えば、「スケジュール管理」「クライアントとの対応」「案件の提案・進行に関わる部分」などは事務所が担います。
なので案件やお仕事がもっと欲しいという方や、仕事が多すぎて個人では管理しきれないという方は事務所に入るメリットはあるのかなと。
クリエイターさんは動画制作に注力できる環境になるので、個人では手一杯という方にとっては所属を考えてみてもいいのかなと思います。

―新木さん
クリエイターさんがYouTube以外でも仕事を持っている場合、動画作成以外の「メール対応」などに割ける時間が取れないという場合もありますよね。
「動画作成以外の対応を事務所にやってほしい」という理由で所属してくださってる方もいらっしゃいます。

―村田さん
グッズ制作やイベント開催についても、個人で手配しようとすると結構ハードですよね。
Kiiiの場合は、イベントやグッズ制作・販売まで事務所でやるので、クリエイターさんは企画するだけで形にすることが出来ます。

―新木さん
あとは、シンプルに「困った時に相談できる」という部分ですかね。

 

(6)所属のデメリットは?

hiro

逆に事務所に所属するデメリットがあれば教えてください。

―新木さん
んー、Kiiiに関しては特にないのかなとは…(笑)。

―村田さん
そうですね、Kiiiはマネジメント料を取っていないので所属している分にはデメリットはないのかなと。
ただ、グッズ、案件、イベント進行も含めすべて自分で管理して進行したいという人にとっては窮屈に感じてしまうかもしれませんね。
そこに関しては、クリエイターだけでなく事務所側にもお金が流れていく部分なので。

 

(7)どんな事務所を選んだらいいの?

hiro

YouTuberさんが事務所を選ぶ場合、どのような視点で会社を選んだらいいのでしょうか?

―新木さん
前提として所属条件等がそれぞれの会社であるかと思いますので、まずはそれをクリアしているかという部分。
具体的な条件等は実際にお問い合わせしていくことになるのかなとは思いますが。
それ以外で言えば、自分の好きなYouTuberさんが所属しているかどうかは見るべきポイントでしょうか。
同じ事務所であれば、そのクリエイターとコラボがしやすくなるかなと思います。

 

hiro

なるほど。同じ事務所であればコラボに繋がりやすいんですね。

―村田さん
あとは、事務所の強みが自分の求めるサポート内容と合っているかどうかですかね。
「動画だけを伸ばしたい!」というのであれば、例えば「UUUM」さんとかの下部組織に参加するのもアリだと思います。
所属には至らないまでもそういったネットワークを活かし、そこでしか得られない特典やコンテンツを利用してみてもいいのかなと。

「お仕事(案件)が欲しい!」という人に関しては、自分のチャンネルの規模よりも大きくて似たようなジャンルを扱っているクリエイターさんがいる事務所を選んでみてもいいかもしれません。
その人のバーターとして提案してくれたり、自分より大きいクリエイターが金額的にNGだった場合に仕事が回ってくることもあるのかなと思います。

 

企業案件とは

企業案件について

 

企業案件とは、YouTubeなどで多くのファンを獲得しているインフルエンサーに対し、企業側が商品・サービスのPRを依頼することです。

最後に、「企業案件」について伺っていきます。

 

インフルエンサーやインフルエンサーマーケティングの概要、詳しい解説はこちらの記事からどうぞ!
インフルエンサーとは?意味や定義、SNS別人気アカウントもご紹介

 

(1)企業案件は事務所に所属しているほうが貰いやすいの?

hiro

企業案件は事務所に所属している方が話が来やすいのでしょうか?

―新木さん
そうですね、どちらかと言えば貰いやすいとは思います。
今はYouTuberの数も増えてきており、企業様側から事務所を頼ってお問い合わせいただくことはあります。
クリエイターを探す手間だったり、YouTubeを使って広告を出したことがない会社さんにとってはどう動いていいか分からないところも多々あると思うので。

―村田さん
クリエイターさんにしてみても、自分を売ってくれる存在がいるかいないか」という違いは案件の貰いやすさに大きく関わってくると思います
個人だと自分で営業するか、DMで依頼が来るのを待つかになってきますから。
事務所にはクリエイターさんをクライアント様に紹介する営業部署もありますし、会社のHPに乗るだけでも窓口は広がるのかなと思います。

 

hiro

個人で営業はなかなかハードル高いですね(笑)。

―村田さん
そうですね(笑)。
個人で行くよりも企業として提案していった方がクライアントにも信頼されやすかったり、対応して貰いやすいとは思います。

 

(2)企業はどんなクリエイターに依頼するの?

hiro

PRを依頼する企業としては、どのような基準でクリエイターを選ぶのでしょうか?

―村田さん
PRする商品のジャンルにマッチしているというのは前提として、登録者数よりは再生回数を基準に選ぶクライアント様が多いのかなと思います。

―新木さん
基準の1つとして登録者数という部分ももちろんあると思うんですけど、やはり「そのPR動画がどれくらいみられるか」が大事になってくるので。
仮に登録者数が少なくても、企画によっては何十万とかの再生回数に行くことも全然あるケースですよね。
安定的に高い再生回数を維持しているクリエイターさんは声がかかりやすいと思います。

 

hiro

なるほど。再生回数が1つの基準になるんですね。

―村田さん
ただ販売促進の面でいうと、過去にやった案件動画で「再生数がそこまで出ていなくても商品がすごく売れた!」という実績がある場合は依頼が来るケースもあります。

 

(3)クリエイターが案件動画を制作するうえでの注意点は?

hiro

それでは最後に、クリエイターが案件動画を作るうえでの注意点等があれば教えてください。

―新木さん
繰り返しになりますが、レスポンスの早さは大事ですね。
動画の内容的には、クライアント様ありきのお話なのでこだわりが強すぎてクライアント様の意向が反映されない動画になってしまうというのはNGですかね。

―村田さん
逆にこだわりがなさ過ぎてもちょっと…というところはありますね(笑)。
案件動画は基本的に、構成・企画についてはクリエイター側に考えてもらうのですが、そこにこだわりを持てず「マネージャーさん考えてください!」と全投げされるのはあまり良くない事例かなと思います。
「提供」表記が入っている動画は、視聴者からしたらちょっと見え方が悪くなったりしてしまいます。
マイナスイメージになりやすい動画だからこそ、いつもYouTubeを運営しているYouTuberさんの特徴を活かした企画を考えてもらいたいという気持ちはありますね。

インタビュー風景8

 

hiro

今回は、YouTuber事務所Kiiiで働く現役社員の方に「YouTuber事務所の実態」について、色々な角度からお話を聞かせて頂きました!
事務所への所属を目指したい!実際に所属事務所を探している!という方にとっての参考になれば幸いです。

今回お話を伺ったお2人にはこちらのインタビューにもご協力いただいています。

気になる方は合わせてどうぞ!
YouTubeマネージャーに聞く!チャンネル育成の考え方【インタビュー】

 

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